その昔、世界は大いなる災に遭い、大地の多くが海へと沈んだ。
海はその美しさこそ変わらなかったが、そこに棲む生物たちは異様な姿形へと変わり、人々が海洋へ入ることを強く拒んだ。
僅かに残った大地で人々は暮らしていた。
そんなある日、「それ」は現れた。
大きな羽をもつ巨大なそれは、のちに《審判の光》と呼ばれる聖なる光を世界に放った。
その光は人々に、生命に、力を与えた。
それは生命としての覚醒、進化であった。
人だけではない、猫や犬や、豚…動物たちも覚醒した。
世界は一変した。
人々は覚醒した動物たちと手を取り合い、再び大海原へと漕ぎ出した。
これが《青き海の世紀》のはじまりである。
そうして始まった青き海の世紀 は、ブルー・クリスタルの世紀でもあった。
ブルー・クリスタルは精霊炉(クリスタル・エンジン)の核であり、皆が暮らしていくためのエネルギーの源であった。
この頃、陸地に住まう人々は、地中に埋まっている僅かなブルー・クリスタルを用いて日々の生活を送っていた。
一方、海洋に出た人々は、海底に大量のブルー・クリスタルが眠っているのを発見する。
その大量のブルー・クリスタルが生活を一変させた。
街には常に明かりが灯り、無数の精霊炉が駆動し、豊かさをもたらした。
こうして青き海の世紀は花開き、人々はブルー・クリスタルを求めて、大海へと繰り出した。
そうするうちに、海原で活動する人々の間でギルドが作られるようになった。ギルドによる組織的な採掘はブルー・クリスタルの安定供給をもたらし、安定した文明をもらたした……。
この物語は、その青き海の世紀の文明が栄えた中から始まる。